Chairmans EYE -第一節展望-
CHAIRMANS EYEとは
30リーグチェアマンの上田ダイゴが
各団体の紹介や試合の見どころを
独断と偏見と妄想で紹介するコーナーです
今回は第一節
『D地区×カムパネルラ』を
独自の目線で徹底解説します!!
いよいよ三年目の開幕を迎える前代未聞の演劇リーグ戦『30リーグ2024』。今年もフレッシュな6団体が優勝を目指してエントリーしてくれたのだが、開幕戦となる第一節『D地区×カムパネルラ』は、奇しくも去年の30リーグ2023に深く関わった者同士の顔合わせとなった。
CHAIRMANS PREDICT
まず紹介するのは30リーグ2年連続の参加となる『D地区』。去年の30リーグ2023では某劇団のリーグ脱退騒動の影響で公式戦は1試合のみになってしまった不運もあり、惜しくもリーグ戦敗退という結果に。しかし不戦勝の代替公演として開催されたエキシビジョンマッチにて披露された作品『おかえり未来の子』は各方面で高評価を得ており、今年の優勝候補筆頭に挙げる声も少なくない劇団である。
私も去年と同等の力を発揮すれば優勝出来るポテンシャルを十二分に秘めている劇団である事に異存はまったくない。加えて30リーグの戦いを経験しているという強力なアドバンテージがある事を考えれば優勝候補筆頭という評にも頷ける。
ただしあくまで去年は去年。どんな団体でも半年あれば様々な変化が起こり得るし、変化がプラスに働くかマイナスに働くかは蓋を開けてみるまでは誰にも分からない。そんな大きな変化が今年のD地区に見て取ることが出来るのだ。
それは団員数の変化である。
去年のエントリー時には12名の劇団員が在籍していたのだが、今年はその半分の6名での参戦となっているのだ。私が独自に調べてみたところ去年の在籍団員を含むメンバーで『D地区コント部』というユニットを立ち上げている様なので、おそらく作品の性質や参加メンバーで団体名を使い分ける、もしくは団体名を『暖簾分け』したと推測される。なので今回のメンバーは『D地区演劇部』と言えるのかもしれない。
もちろんこれはあくまで私の推測。なのでまったくの見当違いかもしれないのだが、今回のメンバーを見る限り、去年のD地区の特徴のひとつであった二人作家体制ではなく『さよなら未来の子』の高谷氏一人なっているところを見ると、今年は演劇色の強い作品のみで勝負してくる事は間違いなさそうだ。
劇団としてより演劇に先鋭化した体制で挑む2年目のD地区。はたしてその変化はプラスに働くのか?
そんな新生D地区に対するのは 30リーグはもとより30×30としても初参加となる『カムパネルラ』。とは言っても主宰である容原氏は30リーグ2023の準優勝団体である『虹色りきゅーる』のスタッフとして公式戦二試合に関わっており、詳細は避けるが役者としても30リーグ2023の舞台に立っている。さらに唯一の劇団員である千純氏も『虹色りきゅーる』の元メンバーであり、去年の公式戦二試合にも出演しているので、団体としては初参加だがD地区にも負けない、いや、D地区以上に30リーグをよく知っているユニットと言えるかもしれない。
そして『30×30としても初参加』と記したがそれもカムパネルラとしてはの話であり、これも詳細は避けるが2年前に30×30にて別団体名義で容原氏の作演作品が上演されている。その時の作品の印象としては、観客に迎合する事なくひたすら自分の思いの丈をぶつけるかの様な、極端に言えば『分かる人だけ分かってくれればいい』という作風に感じた。
もちろんこれもあくまで私個人の感想なので、この後の推測は的外れになってしまうかもしれないのだが、観客の投票で勝敗を決する30リーグにおいて『分かる人だけ分かってくれればいい』という作風は基本的には不利であり、2年前と同じ作風で勝負するのであればカムパネルラはかなり厳しい戦いを強いられるであろうと推測される。
しかしD地区の項でも記した通り、どんな団体でも半年あれば様々な変化が起こり得る。この二年間で私が知っているだけでも超が付くほど精力的な演劇活動を行っている容原氏であれば、上記の推測を覆す変化を遂げている可能性は十分にあると言えるだろう。
広く共感を得る作風に変化しているかもしれないし、2年前と同じく『分かる人だけ分かってくれればいい』作風でも観客全員が『分かってくれる』様なクオリティにまで作品を磨き上げる力をつけたかもしれない。純粋に作品が楽しみなのはもちろん、30リーグというイベントを十分理解した上でエントリーしてくれたのだから、どの様な戦い方で勝ちにくるのかにも注目したい。
上田ダイゴ(30リーグチェアマン)