Chairmans EYE -第二節展望-
CHAIRMANS EYEとは
30リーグチェアマンの上田ダイゴが
各団体の紹介や試合の見どころを
独断と偏見と妄想で紹介するコーナーです
今回は第二節
『演劇集団シアターライズ×21世紀のキリン』を
独自の目線で徹底解説します!!
前代未聞の演劇リーグ戦『30リーグ2024』。劇リーグの初戦となる第二節は『演劇集団シアターライズ×21世紀のキリン』という顔合わせとなったのだが、この試合の見どころを語る前に告白しておかねばならない事がある。実は大変申し訳ないのだが、チェアマンである私が両団体についてほとんど予備知識を持っていないのだ。
そこで今回は、両団体に共通している、ある特徴を切り口に見どころを語ってみたいと思う。両団体に共通している特徴。それは『(現時点では)個人ユニット』という点である。実をいうと今シーズンの30リーグはエントリーした全六団体中、四団体が個人ユニットだったので(注:現在は三団体)、それぞれの個人ユニットがどの様な戦力で挑んで来るのかが今シーズンの一つの注目ポイントであった。
今回は第二節にしてその個人ユニット対決が実現した訳だが、案の定オーダー(出演者・スタッフ)に両ユニットの個性が色濃く現れているのだ。
CHAIRMANS PREDICT
まず先攻として登場する『演劇集団シアターライズ(以下シアターアライズ)』。30リーグはもとより火ゲキ30×30にも初参加であり、さらに言えば今年一月に開催された『ぱくっと!2024』にて第零回公演として旗揚げしたばかりのフレッシュなユニットである。ぱくっと!に関わっていた火ゲキスタッフによれば、第零回公演は会話劇ベースながら人間関係の暗部をノイズで表現するなど、いい意味でザラッとした手触りのダークな印象の作品だったとの事だ。
そんなシアターライズの今回のオーダーで目を引くのは、何と言っても出演者の多さ。主宰の上坂氏を含めて総勢8名という、30分作品としては大所帯に入る人数である。
30リーグの戦いにおいて出演者が多い事のメリットとデメリットは、過去のChairmans Eyeを読んで下さっている方ならもうお馴染みであろう。
出演者が多ければその分チケットが売れるので、客席に味方が多くなり得票が見込めるというメリットと、30分という短い時間で多数の出演者全員を有効に使うには脚本・演出面でかなりの力量が必要であり、作品のクオリティを下げるリスクが高くなるというデメリット。このバランスを何処までマネージメント出来るかがシアターライズ勝利のポイントと言えるかも知れない。
対する後攻の『21世紀のキリン』は火ゲキ30×30としては2回目の参加。前回2023年6月の初参加ではドッペルゲンガーを題材としたサスペンスホラーを上演。映像的な演出が印象に残るスタイリッシュな作品であったと記憶している。
21世紀のキリンのオーダーで注目すべきは、主宰である野口氏のクレジットである。シアターライズの主宰である上坂氏が脚本・演出・出演でクレジットされているのに対して、野口氏は脚本のみのクレジットに止まっているのだ。
一般的に個人ユニットは自分のやりたい事をやるために立ち上げる場合が多く、上坂氏の様に主宰が複数の役職を兼任する事は決して珍しくなく、個人的にはむしろそちらの方がノーマルなイメージを持っている。当サイトのCOMPANYの項の記載によれば、21世紀のキリンの野口氏も脚本・演出・役者・映像・振付と、多くの役職を担当出来るらしく、今回の戦いでも当然役職を兼任して来るであろうと思っていたのだが・・・
もしこの判断が、野口氏が主宰として今作を創るにあたって最も適した人材をチョイスした結果であるならば、自らも作品のピースとして俯瞰で見る事の出来るプロデュース力はシアターライズにとって一番の脅威となるかも知れない。
上記の見どころはあくまで私が30リーグ特設サイトに載っている情報を元に勝手な妄想を膨らませただけの代物であり、私なりの見どころである。確かに戯言かも知れないが、情報と想像力を駆使すれば両ユニットにほぼ面識のない私でもここまで楽しむ事が出来るので、皆さんもぜひ自分なりの30リーグの楽しみ方を見つけて劇場に足を運んで頂きたい。
上田ダイゴ(30リーグチェアマン)