Chairmans EYE -第六節展望-
CHAIRMANS EYEとは
30リーグチェアマンの上田ダイゴが
各団体の紹介や試合の見どころを
独断と偏見と妄想で紹介するコーナーです
今回は第六節
『21世紀のキリン×にほひ』を
独自の目線で徹底解説します!!
約五ヶ月に渡って繰り広げられて来た『30リーグ2024』のリーグ戦もついに第六節『21世紀のキリン×にほひ』を残すのみ。この試合の結果で10/22の決勝戦『30CLIMAX』にて、火リーグを制した『わくらば』と戦う団体が決定するのだ。
ではここで劇リーグ三団体の状況とリーグ優勝の条件を整理してみよう。
まず一足早くリーグ戦二試合を一勝一敗(2ポイント)で終えている『演劇集団シアターライズ』。得票数も87票獲得しており、火リーグを制した『わくらば』の得票数が二戦合計で90票と考えると、優勝の可能性が十分に残されている好位置をキープしていると言って良いだろう。
そして第六節を戦う両団体の状況だが、まずは現在一勝(2ポイント)の『21世紀のキリン』。第六節に勝ては二連勝で文句なしに優勝。もし負けたとしても三団体が一勝一敗の得票数勝負となり、21世紀のキリンは現時点で1位のシアターライズと20票差しかないので、得票次第では優勝も十分あり得る状況と見て良いだろう。
対する『にほひ』は現在一敗(0ポイント)でリーグ最下位。得票数も現在1位のシアターライズと49票の差があり、第六節で勝利するのはもちろん、50票以上得票しなくては優勝出来ない状況だ。しかし劇リーグの公式戦二試合では勝利団体はいずれも50票以上を獲得している事からも分かる通り、実はこちらも優勝の可能性は大いに残されている。
CHAIRMANS PREDICT
第二節にて梶井基次郎『櫻の樹の下には』をモチーフにした作品でシアターライズに勝利した21世紀のキリン。第六節も『日本古典や海外戯曲へのオマージュ』という団体コンセプトに沿って、落語家古今亭志ん生の人情噺をモチーフにした作品で勝負に挑むとの事。リーグ優勝のかかった大一番だからと奇を衒う事なく、自分たちの得意技で勝負する姿勢は頼もしい限り。
そんな21世紀のキリンが唯一気をつけなくてはならない事といえば、やはり上演順番だろう。初戦を後攻で戦い勝利した団体が、次節の先攻戦を同じ心持ちで戦ってしまい惨敗してしまう。30リーグや30GPでよくあるこの現象には十分注意が必要だ。
そして第四節にて新作で勝負するものの、先攻のアドバンテージもあって惜敗したにほひ。第六節は勝利に加えて50票の得票が必須の戦いとなったのだが、ここでにほひはとっておきとも言えるカードを切ってきた。それが今回上演される『あんずの誕生日』である。この作品は過去に『かしこしばい』という団体で火ゲキ30×30にて上演されており、高評価を得てスタッフ推薦にて30GP進出を果たすという、確固たる実績を残しているのだ。
最大の山場で最強の切り札で勝負に出たにほひ。初演にも出演していた井上多真美が諸事情により降板となってしまった事は不安材料ではあるが、降板決定が早かった事もありリカバリーは出来ていると見て良いだろう。
この結果により決勝戦『30CLIMAX』対戦カードが決まるのだが、ここで注目してもらいたいのが30CLIMAXの先攻後攻の決定方法である。
公式ルールにもある通り・・・
・各リーグでの獲得ポイントが多い団体が先攻後攻を選べる。
・同ポイントの場合は各リーグでの得票数の多い団体に決定権
・同票の場合はリーグ戦での先攻公演の得票数の多い団体に決定権。
・それも同票の場合はじゃんけんにて決定。
となっているのだ。
つまり今回であれば、火リーグのわくらばは4ポイントで90票を獲得しているので・・・
・21世紀のキリンが24票以上で勝ては4ポイント91票以上で決定権獲得。
・それ以外ならわくらばが決定権獲得。
となる。
後攻有利がもはや定説となっている30リーグにおいて、本気で優勝を狙うなら常に次の一手を考えて戦術を立てる事も重要。この様な駆け引きも含めて、観客の皆さんにはこの最終戦をぜひ楽しんで頂きたい。
上田ダイゴ(30リーグチェアマン)
※敬称略