Chairmans EYE -第四節展望-
CHAIRMANS EYEとは
30リーグチェアマンの上田ダイゴが
各団体の紹介や試合の見どころを
独断と偏見と妄想で紹介するコーナーです
今回は第四節
『にほひ×演劇集団シアターライズ』を
独自の目線で徹底解説します!!
毎回大熱戦が続いている前代未聞の演劇リーグ戦『30リーグ2024』。リーグ戦の折り返し初戦となる第四節『にほひ×演劇集団シアターライズ(以下シアターライズ)』は、劇リーグ優勝の行方を大きく左右する重要な一戦となった。
CHAIRMANS PREDICT
まずは先攻を務めるにほひを紹介しよう。30リーグとしてはこの試合が初戦だが、通常の30×30には過去に参加経験があり、巧みな演出と確かな演技力が噛み合った繊細な会話劇で高評価を獲得。火ゲキスタッフ間でも優勝候補の一角として推す声が多い、若き実力派ユニットだ。
優勝候補と目される理由は作品内容だけではない。第四節に挑むにあたり勝負の分かれ目にもなり得る『重要な要素』を取り込んだ戦術を立てて来た周到さも『にほひ侮りがたし』と目される点だ。
重要な要素。それは30リーグの経験値である。
にほひの所属する劇リーグは3団体とも30リーグ初参加であり、もちろんにほひも団体としては30リーグ初参加である。しかし作演を担当する古後七海は去年の30リーグに[フキョウワ]の共同演出として参加しており、さらには今回の出演者としてその[フキョウワ]の主宰である下野佑樹を招聘したのだ。
演劇のリーグ戦という特殊な戦場において、味方に戦った経験者がいる心強さは大きな強み。この理に適った補強により経験値という面ではにほひが他の2団体より大きくリードしていると見ても良いだろう。
対する後攻のシアターライズはこの試合が最終戦。リーグ優勝への望みを繋げるか否かの重要な一戦となった。
ここでシアターライズの状況を整理しておくと、第二節のvs21世紀のキリン戦に29-67で惜敗。ここからリーグ優勝する為には第四節に勝つことは勿論のこと、3団体が一勝一敗で並んだ際の得票数勝負に勝利する為に、最低でも第二節の得票差である39票を獲らねば優勝の可能性は消滅する。
つまりシアターライズがリーグ優勝の可能性を残す為には第四節にて…①39名以上のご来場、②にほひに勝利、③39票以上の獲得。この3つの条件をクリアしなければならない状況だ。さらに言えば第六節での両団体の得票数を考慮して今回は圧倒的な得票による勝利、いわゆる『束勝ち』が是が非でも欲しいところ。
こうして条件だけを書き出すとシアターライズの優勝の可能性はかなり厳しいと思われるかもしれないが、そんな単純な戦いにならないのが30リーグ。第二節では惜敗したとはいえ、現実とファンタジーの境界線を取り払ったかの様な幻想的な作品は、先攻後攻や対戦相手との相性など、状況が違えば逆の結果になっていてもおかしくないと思わせるクオリティであった。
今回は断然有利とされる後攻。しかも前作は8名の出演者を擁したのに対し、今回の出演者は2名。30リーグでは出演者が少ない方が勝率が上がるというデータがあるので、これも好条件と言えるであろう。これらの追い風を味方につければ逆転優勝は必ずしも非現実的とは言えないのではないだろうか。
ちなみに30リーグにおいて『一試合目の団体vs二試合目の団体』の戦いとなるのは第三節とこの第四節のみ。30リーグの戦いを経験した団体に初陣の団体が挑むという構図はトーナメント戦ではあまり起こらないリーグ戦ならではの醍醐味。
勢いか勝つか、経験が勝つか。そんな楽しみ方も出来る贅沢な一戦をお見逃しなく。
上田ダイゴ(30リーグチェアマン)
※敬称略