RIVALS EYE【第四節:カムパネルラ】

2024年07月07日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第四節『にほひ×演劇集団シアターライズ』を

カムパネルラがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

にほひ様

『止むな、嵐。』

家庭劇は苦手だ。人よりもぬいぐるみに意識が向く。
愛しいキミは首を引きちぎられて、糸で紡がれて、再び引きちぎられた。無情。
少女に襲った負のエネルギー。年を経ても慰められる事のない傷。
30分間で登場する彼ら彼女らはその傷の周縁で泳ぐ魚のよう。
身近で不器用な親縁者に産まれた傷はまるで腫れ物を扱うかのようにやさしさを取り乱す。瞬きが増える。
このまま終わるなんて嫌だ。でもこのまま終わってしまうのだ。
嫌だ嫌だを重ねて、息辛い。
30分と30分が連結される場所で、直ぐに答えを出すには時間が足りないな。
味わい深さを嗅いでいる。
止むな、嵐。
そうだ。どうせなら。
止まずに。吹き荒れよ。


演劇集団シアターライズ様

『真夜中の月の下で俺は吠えた』

俺たちを見よ。弾け飛んだ、生々しい俺らの苦悩を、青春を見よ。

露骨に笑い、泣き、怒る。
何もない世界から何かある世界へ変わる風流があるなら、何かある世界から何もない世界へ変わる美しさもあるのだ。
此処に居る。舞台に痕跡を残す。人々に感動を与える。何よりも先に必要な真意に対して真っ先に駒を進める意思を感じる。
其々の味がある二人の役者。楽しみな未来を予感させた30分間でした。


◎総評

楽しみな公演でした。
答えを出すには難しい対戦でした。
演劇集団シアターライズ様の作品は抑えるところを抑えていました。一方にほひ様は味わい深さを観劇後にもっと味わえる予感がありました。
タイプの違う両者を見比べたときに60分と少しの判断の猶予時間で片一方に投票を投じるには自分には厳しかったです。
白黒つけたいのですが、今回は出来ませんでした。
結果論にはなりますが、両作品とも先行後攻が反対だともっともっと味わえたのかもと思いました。

容原静(カムパネルラ)

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