RIVALS EYE【第六節:演劇集団シアターライズ】

2024年08月30日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第六節『21世紀のキリン×にほひ』を

演劇集団シアターライズがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

21世紀のキリンさん

先攻でこの作品…かなり攻めてきたなあという印象。キリンさんとは1度戦っているため、次はどんな作品で来るかと期待していたところではありますが、やはり今回も尖ってました。
時代物を、エンタメとした観やすくするなどをせず、徹底的に江戸の世を30分生き続けて魅せたことがとても素晴らしく思いました。なんせ時代物を見慣れてないお客さんだって多数居るはずなのに、客席に座っている方全員が最後まで見入っていました。現代にも通ずるような、「一途で純粋な恋のお話(当パンより引用)」であるからこそ、登場人物の心情がとても緩やかに観客の心にも流れていくようで、話の内容よりも目の前の二人の間で起きている熱情が印象的でした。
雨が川に打ち付ける音が少し大きすぎたか、もしくはそれに伴う声量ではなかったのか、どちらを取るかによると思いますが、そのバランスが成立していないように感じました。どうしても女性の声が聞こえづらくなったり、それだけの雨音ならば声も自然と大きくなるのでは無いかという、リアルor心情のどちらにフォーカスするのかが気になりました。
マイムで船を漕ぐディテールとして、とても上手に魅せられていたかと思いますが、船べりまたぐ時に、後ろの足だけが上がりきっておらず、さっきまでリアルだったものが一瞬崩れてしまうのが残念でした。
とはいえ、そんなの忘れるくらいの圧倒的な物語と芝居だったのでとても素晴らしい作品でした。
お疲れ様てした。


にほひさん

こちらもまた前回戦っておりますので、色んな期待心を持って楽しみに観ておりました。
1人2人と人物が家へ入っていくなか、一見仲良さそうであるのだけれど、互いに発し合う会話によってどこか張り詰めた緊張感があるなぁと感じながら観ていました。すると話が進むごとに、複雑な家庭環境が紐解かれていき、緊張感の謎に納得できました。
僕が圧巻されたのはここからで、家庭環境を日常会話形態で説明していきながらも、全登場人物のそれぞれの気持ちに共感し同情できたことです。そもそも4人の人物の説明から心情まで30分でまとめること自体難しいのに、一言一言にその人の人生が詰まった肉のある言葉で、無駄なセリフがひとつも無かったのがとても好印象でした。
後半急にMがかかったりして、観てる側からしたら困惑状態でしたが、それが功を制するように仕掛けられており、人生の様々なシーンをこんな短時間でも効果的に魅せることができるんだと、新しい発見になりましたし、特に最後、白布に包まれた中でロウソクの灯りが点滅していて、それをお腹にやどる魂として表現していたのが、とてもアートで僕的にはめちゃくちゃ好きな演出でした。
お芝居の細かいところで、残念だったなー惜しいなぁという所は幾つあるものの、それが逆に効果的になってるのが本当にすごいなと思いました。それも普段から家族みたいな関係で良い稽古場だったんだろうなというのも想像でき、良いもの観れたなぁと感じました。
お疲れ様でした。

上坂留叶(演劇集団シアターライズ)

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