RIVALS EYE【第一節:にほひ】
RIVALS EYEとは
ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う
30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです
今回は第一節『D地区×カムパネルラ』を
にほひがレポート
はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?
D地区『まにまにメモリアル』
・ハロワ→イベント会場→コミュニティ活動、の3パート構成。
・台詞が入りきっていないのか甘噛みが目立つ。
・間もちょうどではないのでは。
・30リーグという、作品を比べるちょっと特殊な公演だから余計にエラーにハラハラした。
・コミュニティ活動のパートから抜群に面白い。藤崎さんの怖さ、気功師のアマゾンバイト、占い師はちゃんと社会にいる先輩で、人当たりの悪い岡井谷は特殊な場でも認められず使えないやつ扱い。最初のインパクトある印象から、現実で生きてる人々だと見せる、ガッカリ感が、めちゃくちゃ上手く、面白い。
・あの衝動は恋じゃないだろ、とか、ラストの光に照らされた藤崎さんが「実はあなたの事が…」と恋の告白を思わせる、ときメモ要素ここなのか!?といった、物語の良い意味での理不尽さ(不条理さというのでしょうか?)が、大好きなので、面白かったです。
・衣装も登場人物の背景が見えて面白かった。
カムパネルラ『Have a nice life』
・物語の大枠は、『この世はクソで辛いが、辛がっても苦しいので、なんとかどうにか、ケセラセラで、笑って生きていこう。』かな?と思った。
・↑詩的な台詞、シーンの連続な為、確信はもてない。
・上演は台本の説明ではないけれど、でも、本からの情報ロストが多いのでは?と思った。ロストが意図的でないなら、勿体ないと思う。
・シーンの時間帯、場所、季節、時系列がわからない。二人の関係性は、当パンに書いていたからわかった。
・あと半歩でサスぴったりなのに、と思うことが何度かあった。
・舞台をエリアで区切るなら、壁には明かりをあてない方が区切られ感がでるのに、と思うことが何度かあった。
・音響が大きめなのは、登場人物の心情を塗りつぶすような、あるいは、かき消すような、といった表現なのかな、というのは台詞の言葉たちから感じる、が、結構全部大きいため、印象的なシーンの味が薄まっていると思った。
・当日パンフレットを独自に作成していて、カムパネルラらしさなのだろうなと思って、すごく良いなあとわくわくした。丁寧な稽古は、カムパネルラの方が、という印象だったけれど、でも、かなり悩み、Ⅾ地区にいれました。
古後七海(にほひ)
D地区『まにまにメモリアル』
ハローワークからはじまるお話の組み立てがとても好みで面白かったです。じわじわと怪しい単語や、人物、挙動が増えていき、岡井谷が巻き込まれる様子を楽しんで観ました。
一生懸命なのがより一層様子をおかしくさせている気功師や占い師、藤崎さんと、平凡な感覚を持った岡井谷とのやりとりが良かったです。シャカシャカダンス色んなバリエーションでもっと見たいです。良かった分、セリフの間や会話の緩急でステップを踏めていればさらに面白くなっただろうなというシーンがあり、歯痒い気持ちにもなりました。
キャラクターがより分かりやすく、見た目も楽しい衣装が素敵でした。
カムパネルラ『Have a nice life』
容原さんのこだわりが節々に見える作品で、大変興味深く観ました。当日パンフレットも劇団さんで個別で作られており、世界観へのこだわりが素敵だなと思いました。
最愛の人との別れ、絶望的な出来事があっても死がくるその時まで素敵に生きようとする様子が描かれていると解釈しました。
詩的なセリフも想像を掻き立てるようでワクワクしましたが、お話を理解するための情報量がもう少し欲しかったなと個人的に感じました。
井上多真美(にほひ)