RIVALS EYE【第三節:演劇集団シアターライズ】

2024年06月10日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第三節『わくらば×D地区』を

演劇集団シアターライズがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

わくらば

なんて質の高いお芝居なんだろうと、手にはメモ帳とペンを持っていたにも関わらず、一文字も書かなかった程に思わず魅入ってしまう作品でした。
登場人物の全てがしっかりその世界を信じて生きていて、それで居て本人たちが全身で楽しんでる姿に、客は笑いを誘われ、涙を誘われ、虚構の世界でありながらも劇場全体が一体となっていました。
テレビや最近で言う縦型ドラマなどで観れるようなショートドラマのような、親近感の湧きやすい創られ方であり、演劇人だけでなく特に同業者意外に是非観てほしい作品No.1でした。ホームドラマなのでどちらかと言えばナチュラルな方向性の芝居でしたが、突然歌い出したり父親を引き止める時の見せ方や独白表現だったりと、お客を巻き込む演出がとても効果的でありました。それはなんと言っても俳優の力があってこそでした。自然な声から、しっかりとした舞台発声までを柔軟にフルに使えること、演じるのではなく生きることと言った俳優個々のスキルが最高であったため、家の風景が見えてきたり、下はどんな花屋なのだろうとか、見えない部分を想像して観ることができました。本当に上手い芝居であり良い芝居でした。

D地区

最初から最後までなんだか異質な空気感を感じさせる舞台で、常に臨戦体制で観ているような感覚でした。段々と全貌が見えてくる宗教観、物語後半から最後に進むにつれて、畳み掛けてくるように客を恐怖へと誘ってゆく。観終わった後、心に染み付いてくる作品の怪しい空気感が今も取れません笑 こうやって人は何かに依存するのだろうなと感じました。この作品は本当はもっと長編で観るべきものなんだろうなと感じ、もっと大きな劇場で上演してほしいNo.1でした。芝居に関してですが、兄妹二人ともどこか疲弊しているというか、何か抱えてそうな雰囲気な芝居がずっとひっかりながら観ていたのですが、宗教家庭と言うことが見えてきて、なるほどなと納得できました。こういったキャラクターのネタバラシ的な見せ方が僕は好きでした。それとこれは最近色んなところで感じることですが、関西弁というあくまでも方言であるにも関わらず落とし込めないまま上演に至る芝居をよく観るので、生粋の大阪人としてはやはりどうしても違和感が残ってしまいました(大阪人が標準語で芝居することもですが…)。それでもわくらばさんとは違って、隠れて興味を引きつける見えない手で客を巻き込む芝居でとても面白かったです。個人的には、色々細かい意図はあるのだと思いますが、芝居を終えた役者が上下の椅子に座っていくことで異化効果させてるのに、作品の空気に飲み込まれた僕は全然異化されな買ったのが面白かったです。抜けたくも抜け出せない宗教の恐ろしさが現れているのかもしれない。※勿論、一部の恐ろしい宗教団体によって創られたこの世の固定観念がそうさせているため、一概に宗教とは危ないものと考えるのは間違っていると僕は思っています。

上坂留叶(演劇集団シアターライズ)

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