RIVALS EYE【第五節:にほひ】

2024年09月04日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第五節『カムパネルラ×わくらば』を

にほひがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

カムパネルラ『PoeM』

カムパネルラの作風は賞レースに向いていないと思う。
なんというか、物事を揃え、並べた作品というよりは、観た人にどこかがちょっと、なにかがちょっと、残りますようにという表現だと思うから。
それは、個人的には好みではないのだけれど、自分が選んだだけでは出会えない演劇と出会えて、この日は良い日になった。小劇場、めちゃくちゃ楽しいなと思った。
向いてないなどという言葉を使ってしまいましたが、向き不向きなど存在しないのが、ただしいです。序盤で『拍手』と『握手』を重ねているんだと、手の動作もあってスッと受け入れられましたが、他の台詞のところでほんの少しでも滑舌が甘いところがあると、ダブルミーニングか?滑舌か?と悩む瞬間がうまれてしまう。そして、一度物語を取り逃がすと、追いかけられなくなってしまい、私はこの物語のゆく道を全部は見通せなかった。一人芝居の難しいところだなあと思った。
しかし、一人の人間が、30分間ずっと懸命に喋くっている。その事が面白く、そしてそんな様子を劇場に居る人々がじっと見つめている。
この状況がなんだか良いなあと感じ、劇場楽しいなあと思った。


わくらば『一寸、レッスン、listen』

美樹が幽霊で明が亡くなった美樹に会いたがっている、という最初のセットから、本当は亡くなってしまっていたのは明の方で…。という物語の仕掛け、そして種明かしが30分で非常に整然としていて、勉強になる…と思いました。
この物語の好きなところは美樹、明のどうしても伝えたかった、のドラマが主軸、であるようでいて、本当は美樹、飛鳥のドラマの方であるところなのですが、各キャラクターが魅力的であるがゆえに、もっと見たい知りたいと思ってしまい、それには少し、時間が足りない、と感じました。
美樹、明が死に別れ、そしてもう一度ちゃんとさよならする、というところを物語にしない訳にはいかないのですが、オーディションに落ちる舞台役者明と共に過ごした美樹の生活をもっと見たくて、飛鳥が鍵を閉められなくなったキッカケももっと見たいし、霊感がなぜあるのかずっとあるのか、序盤からかなり怒りっぽいがそれは元からの性格なのかそれとも?霊感のある飛鳥がこれまでどんな生活をしていたのか、どんなトラブルがあったりしたのか。連続ドラマとして12話くらいで見たい。さすがに好き勝手、言い過ぎかもしれませんが…。

古後七海(にほひ)

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