RIVALS EYE【第五節:演劇集団シアターライズ】

2024年08月09日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第五節『カムパネルラ×わくらば』を

演劇集団シアターライズがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

カムパネルラさん

急遽1人芝居となってしまい、作品までも変更となってしまいましたが、まずは率直にちゃんとやり切ったことに感銘を受けました。
作家/演劇人としての容原さんの胸の内に、常に通る一筋の劇心なんだろうなぁと思って観ていました。
物語としては、やはり難しかったです。でももしかしたら、分からなくて正解なのではないかもしれません。当パンに書いてありますが、「詩とは『生きる衝動』である」という言葉の通りであって、我々人間はシナリオに沿って生きているわけではなく、毎秒毎秒が新鮮なんですよね。毎秒生きるための衝動が常にあって、常にそれを感じているからこそ一歩二歩と進んでいけます。
それを感じているのはまぎれもなく、心です。心あるままに感じたことを言語化しているのが詩であり、演劇と違って創り込むものではないので、人生の刹那を表現したものです。
そういった視点で見てみると、彼は板の上で別の彼として、ちゃんと生きていたと思います。ただの男ではなく、誰か分からないけど彼と言えるくらいには、生きてるってことがとても伝わってきました。
もちろん、今作にも台本はあると思いますが、詩的でユーモアなセリフにも関わらず、口から吐かれる言葉に、無責任さは一切なく、彼の心から出てくるコトバになっていました。
役者として、それを魅せてもらえたのはとても気持ちが良かったです。
ただ、やはり役者である以上、少し滑舌が目立ったことと、セリフ流れとしてはおもしろいが、いざ演じる時にリズムとテンポがはまっていないように感じました。
お疲れ様でした!

わくらばさん

前と同じく作品の完成度がとても高くて素敵でした。
物語としてはありがちな展開?と思いますが、ありがちと言えど、人生においてそんなんありがちやったら怖いので、そこは勘違いせずお客様には観てほしいところ。
ありがちな展開に、ありがちだと思わせないくらいの、味のある芝居がとても良かったです。ですが、車/家?学校?という場所のディテールが見えがたく、場転後のスピーディーな急展開に追いつけず、観てる側が世界に入っていきづらかったなという印象でした。
ですが!その違和感を最後に回収してくれたので納得しました。それは面白い作り方だなぁと感心致しました。
好みによりますが、観劇慣れしていないお客様が観ると、最後のどんでん返しに驚いてくれると思いますが、伏線とはいえ、幽霊が生きてる(と思われる)人に対して見えてない聞こえてない…というのが、少しわかり易すぎたかなぁと、勿体なく感じてしまいました。
作品全体を通して、3人が本気でぶつかりあって、全力で役を生きられてるのがとても感動しましたし、そのエネルギーが役にも溢れていて、最後には思わずグッとくるくらい、いつの間にか惹き込まれていました。
お疲れ様でした!

上坂留叶(演劇集団シアターライズ)

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