RIVALS EYE【第四節:21世紀のキリン】

2024年07月06日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2024参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第四節『にほひ×演劇集団シアターライズ』を

21世紀のキリンがレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

にほひさん

おばあちゃんのお葬式に集まった家族たちの、どこにでもあるようなお話の中の家族しか知ることのない小さな、かつ大きなドラマでした。
子供の頃に負った傷の深さ。それはいつになっても癒えることのないもの。ということがダイレクトに伝わってくるとても有意義な30分間だと思いました。この劇でやりたいことがわかりやすく役者さんたちもそれを理解して、人数が多いながらも全員で同じ目標に向かって演技をしているのがわかって良かったです。
途中、10秒ほど役者さんもだれもいない、ただ机と椅子と散らかった段ボールだけが残される瞬間があったのですが、その10秒がこの作品において大きく意味があるように感じました。この机と椅子と散らかった段ボールなのど舞台セットを見ることで、シーンとした無くなったおばあちゃんの家という風景をとてもリアルに感じることができました。そこからとてもイメージがしやすくなりお話への没頭感が上がりました。たまたま僕がそう感じただけかもしれませんがとても好きな演出でした。七江夏紀さんのおばあちゃんが嫌いだけど、その本心を笑いで誤魔化しながら気を使う話し方がとても好きでした。日常に潜む本来なら誰にも気づかれることのなかったドラマを描く、小劇場ならではのいい作品だったと思いました。


演劇集団シアターライズさん

前回21世紀のキリンの対戦相手様として関わらせていただきましたが、今回は観客として作品をじっくりと味合わさせていただきました。
まず、上坂留叶さんと玉井敬大さんの演技力表現力が高い!圧倒されるものでした。この演技力表現力があるからこそ、なにもない素舞台が生きていたように思いました。演技で圧倒するそんなお芝居だったと思います。
つぎに設定がとても面白く、好きでした。昔からの同級生がヤクザと警察という反対の道を歩みながら、それぞれの運命と友情が対峙するそこで起こるドラマ。とても複雑な関係から織りなされる2人の会話は見応えがありました。
途中音響で音楽が何回か流れたのですが、その音楽が2人の複雑な関係を一気に単純なものに変えてしまっているように感じました。非常にわかりやすい状態になっていて、演出としてやりたいことが複数あるのかなと感じました。小劇場ならではのリアルな細かいところに気を配りつつ、展開や音楽(M)、殺陣というところでスケールが大きめの演出にもこだわってらっしゃるように感じました。
好みの話ですが、複雑な関係に置かれた2人の男のすれ違う様を複雑なままリアルに見てみたかったなというのが正直な感想でした。

21世紀のキリン 高津碧大

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